問題5
相続に関する次の記述の正誤の組合せとして、正しいものを下記の選択肢の中から選びなさい。
(ア)
配偶者は常に相続人となるので、血族相続人がいるときは、これと同順位で共同相続し、血族相続人がいなければ単独の相続人となり、ここでいう配偶者には、内縁関係にある者も含まれる。
(イ)
被相続人の死亡以前に、相続人となるべき子または兄弟姉妹が、死亡、相続欠格、推定相人の廃除などの事由(代襲原因)により相続権を失った場合、その者が受けるはずであった相続分を被代襲者である被相続人の子の直系卑属または被代襲者である被相続人の兄弟姉妹の子がその者に代わって相続する。
【選択肢】
A.アおよびイともに正しい。
B.アは正しいが、イは誤っている。
C.アは誤っているが、イは正しい。
D.アおよびイともに誤っている。
問題6
相続に関する次の記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。
(ア)
被相続人の兄弟姉妹が相続人となる場合において、その兄弟姉妹の中に、被相続人と父母の双方を同じくする者と、一方のみを同じくする者の両方がいるときは、父母の一方のみを同じくする者の相続分は、父母の双方を同じくする者の相続分の2分の1となる。
(イ)
被相続人の子が相続を放棄した場合、放棄者に子がいるときは、その子が、放棄者の相続分を代襲して相続する。
(ウ)
相続できる財産には、被相続人が不法行為によって損害を被ったことにより取得した財産上の損害に対する損害賠償請求権や慰謝料請求権も含まれる。
問題7
相続人の欠格事由および推定相続人の廃除に関する次の記述の正誤の組合せとして、正しいものを下記の選択肢の中から選びなさい。
(ア)
「相続欠格」とは、相続人となるべき者が故意に被相続人を殺害したり、詐欺や強迫したりすることによって遺言の作成を妨害した場合などに、法律上当然に相続人としての資格を失うことをいう。
(イ)
「推定相続人の廃除」は、遺留分を有する推定相続人に、欠格事由のように相続人の資格を当然に否定するほどの重大な事由には当たらないが、著しい非行がある場合において、被相続人がその者に相続させることを欲しないときに、遺留分にかかわらず、その者の相続権を剥奪させるものである。
【選択肢】
A.アおよびイともに正しい。
B.アは正しいが、イは誤っている。
C.アは誤っているが、イは正しい。
D.アおよびイともに誤っている。
問題8
相続人の欠格事由および推定相続人の廃除に関する次の記述の正誤の組合せとして、正しいものを下記の選択肢の中から選びなさい。
(ア)
相続欠格の効果は相対的(対人的)であり、特定の被相続人に対してのみ相続人資格を失う。
(イ)
被相続人が遺言により推定相続人の廃除の意思表示を行った場合、その廃除の効力は、被相続人の死亡時に遡って生じる。
【選択肢】
A.アおよびイともに正しい。
B.アは正しいが、イは誤っている。
C.アは誤っているが、イは正しい。
D.アおよびイともに誤っている。
問題9
Aさんは、遺言なしに総額2,400万円の遺産を残して死亡しました。Aさんには、配偶者Bと子Cおよび子Dがいますが、子Dは既に死亡していてEおよびFの2人の子(Aさんの孫)がいます。この場合におけるB、C、E、Fの法定相続分の金額の組合せとして、正しいものを下記の選択肢の中から1つ選びなさい。
【選択肢】
ア.配偶者B:1,200万円 子C:1,200万円 孫E:0万円 孫F:0万円
イ.配偶者B:1,200万円 子C:600万円 孫E:300万円 孫F:300万円
ウ.配偶者B:1,200万円 子C:400万円 孫E:400万円 孫F:400万円
エ.配偶者B:600万円 子C:600万円 孫E:600万円 孫F:600万円
問題10
Aさんは、遺言なしに総額3,600万円の遺産を残して死亡しました。Aさんには、配偶者Bと父Cおよび弟Dがいますが、弟Dは既に死亡していて配偶者Eおよび子Fがいます。この場合におけるB、C、E、Fの法定相続分の金額の組合せとして、正しいものを下記の選択肢の中から1つ選びなさい。
【選択肢】
ア.配偶者B:2,700万円 父C:0万円 弟Dの配偶者E:450万円 弟Dの子F:450万円
イ.配偶者B:2,700万円 父C:0万円 弟Dの配偶者E:0万円 弟Dの子F:900万円
ウ.配偶者B:2,400万円 父C:1,200万円 弟Dの配偶者E:0万円 弟Dの子F:0万円
エ.配偶者B:2,400万円 父C:400万円 弟Dの配偶者E:400万円 弟Dの子F:400万円
問題11
Aさんは、遺言なしに総額3,000万円の遺産を残して死亡しました。Aさんには、配偶者Bと3人の子(C、D、E)がいますが、配偶者Bは既に死亡しています。また、子Cは生前、被相続人から事業資金として900万円の贈与を受けています。この場合におけるC、D、Eの法定相続分の金額の組合せとして、正しいものを下記の選択肢の中から1つ選びなさい。
【選択肢】
ア.子C:0万円 子D:1,500万円 子E:1,500万円
イ.子C:400万円 子D:1,300万円 子E:1,300万円
ウ.子C:1,000万円 子D:1,000万円 子E:1,000万円
エ.子C:1,600万円 子D:700万円 子E:700万円
問題12
相続の承認・放棄に関する次の記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。
(ア)
相続の開始後、相続人が3か月の熟慮期間内に限定承認も相続の放棄もしないときは、単純承認をしたものとみなされる。
(イ)
相続人は、限定承認をしようとするときは、3か月の熟慮期間内に財産目録を作成して、これを家庭裁判所に提出し、限定承認をする旨を申述しなければならない。
(ウ)
相続を放棄した者がいた場合、放棄者の子が相続財産を代襲相続する。
問題13
相続の承認・放棄に関する次の記述の正誤の組合せとして、正しいものを下記の選択肢の中から選びなさい。
(ア)
共同相続する場合、共同相続人のうち、単純承認をした者がいるときでも、他の共同相続人は、協議により限定承認をすることができる。
(イ)
相続人が相続財産の全部または一部を処分した場合、その相続人は単純承認をしたものとみなされる。
【選択肢】
A.アおよびイともに正しい。
B.アは正しいが、イは誤っている。
C.アは誤っているが、イは正しい。
D.アおよびイともに誤っている。
問題14
遺留分に関する次の記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。
(ア)
相続人が配偶者のみである場合、配偶者に認められる遺留分の割合は、被相続人の財産の3分の1となる。
(イ)
遺言による相続分の指定または遺贈もしくは生前贈与によって遺留分が侵害された場合、遺留分権利者およびその承継人は、受遺者または受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払いを請求できる。
(ウ)
遺留分権利者が相続開始前に遺留分を放棄しようとする場合でも、家庭裁判所の許可がない限り、その効力を生じない。
問題15
遺留分に関する次の記述の正誤の組合せとして、正しいものを下記の選択肢の中から選びなさい。
(ア)
遺留分権利者となる者は、兄弟姉妹を除く法定相続人であり、被相続人の直系卑属である子(代襲相続人を含む)、直系尊属および配偶者が該当する。
(イ)
遺留分侵害額請求がされるべき贈与と遺贈が併存する場合、遺留分侵害額は、まず受贈者が負担し、それでも不足するときは受遺者が負担する。
【選択肢】
A.アおよびイともに正しい。
B.アは正しいが、イは誤っている。
C.アは誤っているが、イは正しい。
D.アおよびイともに誤っている。
問題16
遺留分に関する次の記述の正誤の組合せとして、正しいものを下記の選択肢の中から選びなさい。
(ア)
遺留分侵害額請求権は、遺留分権利者が相続の開始および遺留分を侵害する贈与または遺贈があったことを知った時から1年間行使しないときは時効によって消滅し、また、相続開始の時から10年を経過したときも同様に消滅する。
(イ)
遺留分権利者の1人が行った遺留分の放棄は、他の遺留分権利者の遺留分に影響を及ぼさない。
【選択肢】
A.アおよびイともに正しい。
B.アは正しいが、イは誤っている。
C.アは誤っているが、イは正しい。
D.アおよびイともに誤っている。
問題17
Aさんは、総額1億2,000万円の遺産を残して死亡しました。Aさんには、配偶者Bと弟Cおよび母Dがいますが、父Eと祖母F(父Eの母)は既に死亡していて、祖父G(父Eの父)がいます。この場合におけるB、C、D、Gの遺留分の金額の組合せとして、正しいものを下記の選択肢の中から1つ選びなさい。
【選択肢】
ア.配偶者B:4,000万円 弟C:0万円 母D:2,000万円 祖父G:500万円
イ.配偶者B:8,000万円 弟C:0万円 母D:4,000万円 祖父G:0万円
ウ.配偶者B:4,000万円 弟C:0万円 母D:2,000万円 祖父G:0万円
エ.配偶者B:2,000万円 弟C:500万円 母D:1,000万円 祖父G:0万円
問題18
Aさんは、総額3,600万円の遺産を残して死亡しました。Aさんには、配偶者Bと弟Cがいますが、父Dと母Eは既に死亡していて、祖母F(父Dの母)と祖母G(母Eの母)がいます。この場合におけるB、C、F、Gの遺留分の金額の組合せとして、正しいものを下記の選択肢の中から1つ選びなさい。
【選択肢】
ア.配偶者B:1,800万円 弟C:0万円 祖母F:900万円 祖母G:900万円
イ.配偶者B:900万円 弟C:0万円 祖母F:450万円 祖母G:450万円
ウ.配偶者B:1,200万円 弟C:0万円 祖母F:300万円 祖母G:300万円
エ.配偶者B:1,350万円 弟C:450万円 祖母F:0万円 祖母G:0万円
問題19
遺産の分割に関する次の記述の正誤の組合せとして、正しいものを下記の選択肢の中から選びなさい。
(ア)
被相続人は、遺言により遺産の分割方法を指定することができるが、これを相続人以外の第三者に委託することはできない。
(イ)
遺産の分割が現物分割によりなされた場合には、共同相続人の合意がなされた時点から、その効力を生じる。
【選択肢】
A.アおよびイともに正しい。
B.アは正しいが、イは誤っている。
C.アは誤っているが、イは正しい。
D.アおよびイともに誤っている。
問題20
遺産の分割に関する次の記述の正誤の組合せとして、正しいものを下記の選択肢の中から選びなさい。
(ア)
遺産の分割協議には、共同相続人全員の参加が必要であり、一部の相続人を除外してなされた分割協議は無効となる。
(イ)
遺産の分割協議にあたって、共同相続人の中に未成年者とその親権者がいる場合には、いわゆる「利益相反行為」になるため、親権者は、未成年者のために家庭裁判所に特別代理人の選任を請求しなければならない。
【選択肢】
A.アおよびイともに正しい。
B.アは正しいが、イは誤っている。
C.アは誤っているが、イは正しい。
D.アおよびイともに誤っている。
問題21
遺産の分割に関する次の記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。
(ア)
相続人の中に行方不明者がいるときは、家庭裁判所に不在者財産管理人の選任を請求して、その管理人と他の共同相続人との間で遺産の分割を行うことになる。
(イ)
共同相続人は、被相続人の遺産の分割を禁止する遺言がない限り、協議により遺産の分割をすることができるが、協議が調わないときや協議をすることができないときは、いっさい遺産の分割をすることはできない。
(ウ)
遺産の分割によって取得した財産に欠陥がある場合には、各共同相続人は、他の共同相続人に対して、売主と同じく、その相続分に応じて担保責任を負う。
(エ)
遺産の分割は、遺言によって分割が禁止された場合や共同相続人が協議により遺産分割をしない旨を契約した場合に一定期間禁止されるほか、特別の事由があるときに、家庭裁判所の審判により、一定期間禁止されることがある。
問題22
遺言に関する次の記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。
(ア)
遺贈にあたっては、自然人だけでなく、法人も受遺者となることが認められる。
(イ)
公正証書遺言には、証人2名以上の立会いが必要とされるが、秘密証書遺言では、その内容の秘密を確保するため、証人はいっさい必要とされない。
(ウ)
遺言書の検認を行う場合、封印のある遺言書の開封は、検認の前に、家庭裁判所において必ず相続人またはその代理人の立会いの下で行わなければならない。
問題23
遺言に関する次の記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。
(ア)
被相続人が、共同相続人の相続分を指定する場合には、必ず遺言により行わなければならず、遺言によらない指定は無効となる。
(イ)
遺言は、遺言者の単独の意思表示が確保されるものでなければならないので、2人以上の者が同一の証書で共同して行う遺言は禁止されている。
(ウ)
未成年者が単独で遺言をすることは、いっさい認められない。
問題24
遺言に関する次の記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。
(ア)
遺言者は、その生存中いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部または一部を自由に撤回することができる。
(イ)
遺贈とは、遺言によって被相続人の財産の全部または一部を無償で他人(推定相続人を含む)に与える行為のことをいう。
(ウ)
遺言者によって遺言執行者が指定されていない場合には、必ず相続人が協議のうえ、遺言執行者を選任しなければならない。
問題25
遺言に関する次の記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。
(ア)
遺贈を受ける者(受遺者)は、遺言者の死亡時に生存していなければならず、胎児には受遺能力が認められない。
(イ)
停止条件付遺言は、遺言者の死亡後にその条件が成就した時からその効力が生じる。
(ウ)
遺言を行った後にこれに抵触する遺言を行った場合、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなされる。
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